今日は、ピアノの調律をしてもらっています。
半年に一回行うのですが、今夏は雨が多かったためか各部にかなり影響が出ているようで、いつもより念入りに調律を行なっていただいています。
取り外したカワイのアクション。ハンマーやダンパーが見えます。
鍵盤も順に外していきます。
全て外しました。
88個の鍵盤、一枚の板状に成型したのものを88の鍵盤に切り分けて作るそうで、鍵盤ひとつだけ交換は出来ないんだそう…。
まずお掃除…。
滅多に鍵盤外したりできませんから、綺麗にしましょう。
鍵盤を外すとこんな感じ。
緑や赤のフェルトも摩耗が徐々に進んできているとのこと…。
弦の具合はまだ大丈夫のようです。
一音一音、調整をしていきます。
ほとんどの鍵盤には、一つの鍵盤に対して3本の弦が張ってあります。
低音域は1本から2本なので、一台のピアノで230本くらいの弦が張ってあるそうです。その230本の弦を一本一本音を合わせていきます。真ん中の音から高音部へ、そしてまた真ん中の音から低音部へ。一通り音をそろえても、微妙にまた真ん中あたりがずれるので、また真ん中を調整します。
当園のピアノは、お部屋のピアノはすべてカワイのK2というピアノです。製造年の違いで半分は浜松の竜洋工場生まれ、半分はインドネシアからの帰国子女です。私には違いは判らないレベルなのですが、どちらも優しい温かい音がします。
調律をしてくれたのは、カワイ楽器の関根さん。ベテランの調律師さんです。
もう長いお付き合いになるのですが、ピアノの調律師なのに、なぜかギターを持って現れたり、エフェクターを持ってきたりします。作業中私が一緒にいるとなぜか作業終了が2時間ぐらい遅れます・・・。いつもありがとうございます。
以前、浜松の竜洋工場へ、園の職員全員で見学に行かせていただきました。広い工場の中で、たくさんの方が手作業で作業されていました。もちろん機械化されている製造工程もありましたが、かなりの部分が手作業、そして一度組んで、時間をおいて寝かせてからまた調整して組付けて、また時間をおいて・・・と、気の遠くなるような時間と手間をかけて1台のピアノが出来上がることを知りました。工場の方たちの気持ちが込められているから、温かい音なんだなぁと感じ入りました。
ちなみに、高級ピアノの代名詞スタインウエイも、実はカワイの竜洋工場で作られているものもあるそうです。また、あのYOSHIKIさんのクリスタルピアノも、ここで生まれました。
一時期、お部屋のピアノをデジタルピアノに代えたことがありました。しかし、新しく買ったデジタルピアノ、全部のピアノで鍵盤が壊れました。修理を依頼したらもう部品がなく、修理できず・・・。もうずいぶん前なので今はもっと良くなっているかもしれませんね。やはり温かい音がする本物のピアノを!ということで、カワイのK2を入れることになりました。一般的なアップライトピアノよりも小型ですが、小型ゆえに音量は小さくなる半面、構造的に優れている面があって、こちらを導入しています。
ホールにあるピアノは、当園創立時より、入園式も卒園式も発表会も、ずっと園児たちを見続けている、昭和39年生まれのヤマハU3です。しかしさすがに老朽化してきたのでオーバーホールをしてあります。ヤマハのピアノですが、カワイでオーバーホールしたので、高音域のきれいなヤマハのピアノと、ふくよかで温かい音のカワイのピアノ、両方のピアノの音の特色を備えているように思います。きっとこれからもずっと子どもたちを見守ってくれると思います。